INFO 防犯カメラの遠隔監視でできること|導入前に確認しておきたい点
ページ情報
本文
防犯カメラの映像は、以前はカメラのある建物内でしか確認できませんでした。録画を見るには、現地の録画機とモニターの前まで行く必要があったためです。現在は、インターネットを経由することで、離れた場所からでも映像を確認できるようになっています。事務所から店舗の様子を見る、外出先から現場を確認する、といった使い方です。
ただ、「スマホで見られる」という一言で片づけられることが多く、実際に運用を始めると考えておくべき点がいくつか出てきます。この記事では、遠隔監視の基本と、導入前に整理しておきたい点をまとめます。
■ 遠隔監視でできること
遠隔監視という言葉には、いくつかの内容が含まれます。
【リアルタイムの映像確認】
今その場所がどうなっているかを、離れた場所から見る使い方です。
【録画の再生】
過去の映像を遠隔から確認します。現地に行かずに、必要な時間帯の映像を見ることができます。
【カメラの操作】
PTZカメラ(首振りやズームができるカメラ)の場合、遠隔から向きや倍率を変えられる機種があります。
【通知の受信】
何かを検知した際に、端末へ通知を送る使い方です。常時映像を見続けなくても、必要なときだけ確認するという運用ができます。
このうちどれが必要かによって、構成の考え方が変わってきます。
■ どのような場面で使われるか
【複数の拠点を持っている】
店舗や事業所が複数ある場合、それぞれを回らなくても状況を確認できます。移動にかかる時間と費用を抑えることにつながります。
【現地に常駐していない】
無人の施設、夜間や休日に人がいない事業所、資材置き場や駐車場など。人がいない時間帯の状況を把握する用途です。
【現場の状況を離れた場所から把握したい】
作業の進捗確認や、混雑状況の把握など、防犯以外の目的で使われることもあります。
■ 何が必要か
遠隔監視を行うには、次のものが必要になります。
【インターネット環境】
カメラや録画機を設置する側に、インターネット回線が必要です。映像をネットワークへ送り出すためです。
【確認する側の端末】
スマートフォン、タブレット、パソコンなど。
【アプリまたはソフトウェア】
機器のメーカーが提供するものを使用します。
HIKVISION製品の場合、Hik-Connectというモバイルクライアントが用意されています。DVR、NVR、ネットワークカメラなどの機器を管理するためのもので、Wi-Fiまたは携帯電話のネットワークを経由して、リアルタイム映像や録画映像の表示、イベントやアラーム発生時の通知受信が行えます。
従来、外部から映像を見られるようにするには、固定IPアドレスの契約やルーターのポート開放といった、専門的な設定が必要でした。Hik-Connectのようなクラウド経由の方式では、こうした設定が不要になっている場合があります。
なお、回線の契約内容や設置環境によって、選べる接続方法が変わることがあります。導入前に確認しておくことをおすすめします。外出先などモバイル回線で映像を確認する場合、通信量が発生する点にも留意が必要です。契約しているデータ通信量によっては、確認の頻度や画質設定を調整したほうがよい場合があります。
■ 誰が見られるようにするか
見落とされやすいのが、権限の設定です。
防犯カメラの映像には、そこに写っている人の情報が含まれます。社内の誰もがすべての拠点の映像を見られる状態は、望ましいとは言えません。
必要なのは、次のような整理です。
・各拠点の責任者は、自分の拠点の映像だけを見られればよいのか
・本部の管理者は、すべての拠点を見る必要があるのか
・録画の再生まで許可するのか、リアルタイムの確認だけでよいのか
・退職や異動があった場合、どう権限を外すのか
Hik-Connectでは、権限を限定したうえで他の利用者と機器を共有する機能が用意されています。全員に同じ権限を渡すのではなく、役割に応じて分けることができます。社内の利用者だけでなく、設置業者に運用・保守のための権限を渡すという使い方もあります。設定変更や不具合の確認を、現地に行かずに設置業者側で行える仕組みです。
また、機器側で認証コードを設定する仕組みがあります。この認証コードはライブビューや再生を暗号化する目的で使われ、第三者が映像を見ようとした際に入力が求められるものです。遠隔監視は「どこからでも見られる」という利点がある一方、裏を返せば「どこからでも見られてしまう」ということでもあります。誰にどこまでの権限を渡すかは、導入時に決めておきたい点です。
■ 規模によって仕組みが変わる
拠点数や台数によって、適した仕組みが変わります。
【機器を直接管理する方式】
Hik-Connectのように、機器そのものに接続して管理する方法です。拠点数が限られている場合、この方式で運用できます。
【統合管理プラットフォームを使う方式】
拠点数や台数が増えると、機器を一つずつ管理する形では手が回らなくなります。この場合、複数拠点・複数システムを一つのプラットフォームで管理する選択肢があります。
HIKVISIONの場合、HikCentral Professionalがこれにあたります。複数拠点をまとめて管理でき、PC・スマートフォンから確認できる仕組みです。モバイルクライアントであるHikCentral Mobileを使えば、外出先からの確認も行えます。地図やフロア図の上にカメラの位置を配置し、状況を把握しやすくする機能も備えています。
Hik-Connectがスマートフォンのアプリだけで運用できるのに対し、HikCentral Professionalはこれを稼働させるための機器(サーバー、または相応の性能を持つPC)が必要になります。アプリを入れれば使えるものと、機材への投資が必要になるものという違いがあるため、規模を判断する際はこの点も考慮が必要です。
どちらが適しているかは、拠点数、カメラの台数、管理する人数によって変わります。将来的な拡張の可能性も含めて検討しておくと、後の手戻りが少なくなります。
■ 導入前に確認しておきたいこと
【1】設置場所にインターネット環境があるか
回線がない場所では、まずその手当てから検討することになります。
【2】誰が、どの端末から見るのか
人数と役割によって、必要な権限の設計が変わります。
【3】常時見たいのか、必要なときだけでよいのか
常時監視するのか、通知を受けたときだけ確認するのかで、運用の負荷が変わります。
【4】拠点数と今後の増減
現在の拠点数だけでなく、将来的な予定も踏まえて検討します。
【5】既存の設備を活かせるか
すでにカメラや録画機がある場合、それらが遠隔監視に対応しているかを確認する必要があります。
なお、現地のモニターでは映像が確認できるのに、遠隔からだけ見られない、という場合があります。この場合、カメラ自体の故障ではなく、ネットワークや遠隔監視アプリ側の問題である可能性があり、対処の方向性が異なります。原因の切り分けについては、別の記事でも扱っています。
■ 遠隔で「見る」以外にできること
遠隔監視を検討される方の多くは、まず「映像を見たい」という目的をお持ちです。ただ、実際に運用を始めると、映像を見続けること自体が負担になることがあります。その場合、検知して通知を受け取る仕組みや、必要な場面を後から探し出す仕組みが役に立ちます。この点については、別の記事で整理しています。
また、録画データを機器本体だけでなくクラウド上にも保存しておく、という選択肢もあります。機器の盗難や故障があっても、映像がクラウド側に残るという考え方です。対応機種は限られますが、詳しくは以下のページをご覧ください。
・Hikvision Cloud Storage Service
遠隔監視は、現地に行かずに状況を把握できる仕組みです。移動の負担を減らし、確認の頻度を上げることができます。
一方で、誰がどこまで見られるようにするか、どの規模の仕組みが必要かといった点は、導入前に決めておきたい部分です。後から変更するとなると、機器の構成から見直すことになる場合もあります。
株式会社ジェイセキュリティでは、拠点の状況や運用体制をうかがったうえで、機器構成をご提案しております。複数拠点の管理をご検討の場合も、お気軽にご相談ください。
■お問い合わせはこちら
※搭載されている機能は機種により異なります。遠隔監視への対応可否については個別にご確認ください。
※Hik-Connect、HikCentral、クラウドストレージサービスの機能、対応機器、利用条件については、メーカーおよび各サービスページの公開資料をご確認ください。仕様は変更される場合があります。
※遠隔監視の利用にはインターネット環境が必要です。回線の契約内容、設置環境、既存のネットワーク構成により、選択できる方法が異なります。現地確認のうえ判断が必要です。
※既存機器を活用される場合、遠隔監視への対応可否は機種により異なります。個別にご確認ください。
※モバイル回線利用時の通信量は、画質設定や確認頻度により異なります。

