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INFO 防犯カメラは他社製品とつなげられるか|ONVIF対応の読み方

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既存の防犯カメラを入れ替えるとき、あるいは台数を増やすとき「いま使っている録画機に、別のメーカーのカメラをつなげられないか」というご相談をいただくことがあります。カメラだけを交換できれば録画機を買い替えず、既存の配線を活かせる可能性があります。システム全体を入れ替える場合と比べて、費用や作業範囲を抑えられることがあります。


こうした場面で出てくるのがONVIF(オンヴィフ)という言葉です。仕様表に「ONVIF対応」と書かれていれば、メーカーが違ってもつながる。そう理解されていることがあります。


先に結論を書きます。ONVIFは異なるメーカーの機器をつなぐための共通の取り決めとして実在し、実際に機能しています。2025年10月の時点で、適合した製品は世界で三万件を超えています。一方で「ONVIF対応」という表示そのものは何がどこまで動くかを決めていません。互換性の基準になっているのはもっと細かい単位です。そしてその単位は公開されていて誰でも確認できます。


この記事では何を確認すればよいのかを順を追って整理します。


■ 「対応」と実際に動くことは別です

機器の組み合わせを検討するとき最も多い誤解がここにあります。仕様表に規格の名前が書かれているとその名前が一致すればつながると考えてしまいます。しかし実際には同じ名前の下に複数の世代や範囲があり、一致していなければ動かないということが起こります。


これは同軸ケーブルを使うアナログの方式でも同じです。同じ方式の名前であっても対応する解像度の世代が違えば映像が出ないことがあります。設備の方式については別の記事で整理しています。


・アナログカメラとIPカメラの違い|今ある設備はどちらかから考える


ネットワークカメラの世界でこの問題に対処するために作られたのがONVIFです。ただしONVIF自身も名前だけでは何も決まらないという構造を持っています。そこを正確に押さえておくと機器選定の精度が上がります。


■ ONVIFとは何か

ONVIFはIPベースの物理セキュリティ製品の相互接続性を高めることを目的とした業界団体です。2008年に設立されカメラ、映像管理システム、入退室管理の各社が会員として参加しています。仕様書は公開されており誰でも参照できます。


ONVIFが標準化しているのは機器と機器の間のインターフェースです。カメラが映像をどう送り出すか、ソフトウェア側がどう要求するか、といった手順を共通化しています。一方で、ONVIFが扱わない範囲も団体自身が明示しています。法規制への適合はONVIFの対象外とされており、規制や地域ごとの要件を確認し用途に応じた適切なセキュリティ水準を実装する責任は製造業者、設計者、施工業者の側にあるとされています。


つまりONVIFはつながるかどうかの共通言語を定めているのであって、その機器を使ってよいかどうかを保証しているわけではありません。


■ RTSPとの違い

混同されやすいものにRTSPがあります。RTSPはリアルタイム性を持つデータの配信を設定し制御するためのアプリケーション層のプロトコルです。インターネット技術の標準化団体であるIETFが仕様を公開しており、現行のバージョン2.0は2016年に発行されています。音声や映像といったデータを要求に応じて配信するための枠組みを定めるものです。


ネットワークカメラにはこの方式で映像を送り出せる機種があります。そのため、RTSPのアドレスを指定すれば他社のソフトウェアでも映像を表示できる場合があります。


ただし、ここが分かれ目です。


RTSPが扱うのは映像の配信とその制御です。一方ONVIFは映像の配信に加えて機器の設定、イベントの通知、カメラの操作、録画の管理といった機器同士の連携全体を標準化しています。したがって、「映像が表示できる」ことと、「録画機の機能と連携できる」ことは別の話になります。映像だけは映るのに検知の通知が来ない、録画のスケジュールが組めない、という状態はここから生まれます。


■ 互換性の基準は「プロファイル」です

ここが、この記事でお伝えしたい中心的な点です。ONVIFには「プロファイル」という区分があります。プロファイルとは適合する機器とソフトウェアの双方が必ず備えなければならない、固定された機能の集まりです。


たとえばProfile Tに適合したソフトウェアは同じくProfile Tに適合した機器と動作する。これがONVIFの互換性の形です。

逆に言えば、基準になっているのはプロファイル単位であって「ONVIF」という言葉の単位ではありません。


さらに条件付きの機能という区分もあります。これはその機器が何らかの形でその機能を持っている場合には実装しなければならないという性質のもので、独自の方式で実現している場合も含まれます。すべての機能が必ず備わっているわけではないということです。


【カメラ側だけ確認しても足りません】

見落とされやすい点があります。ONVIFは映像を送り出す側を「デバイス」、それを受けて設定や制御を行う側を「クライアント」と呼び分けています。ネットワークカメラがデバイス、録画機や映像管理ソフトウェアがクライアントにあたります。


そして適合は双方に必要です。カメラがProfile Tに適合していても録画機側が対応していなければ、その組み合わせで動作が期待できるとは限りません。「このカメラはONVIF対応だから大丈夫」という確認の仕方では半分しか見ていないことになります。


【プロファイルは階段ではありません】

もう一つ、誤解されやすい点があります。プロファイルは新しいものほど上位という関係にはなっていません。目的ごとに分かれた区分であり、一つの製品が複数のプロファイルに適合することもあります。ONVIFは例としてローカルストレージを備えたネットワークカメラが映像配信のプロファイルと録画のプロファイルの両方に適合し得ることを挙げています。


そして、いったん定められたプロファイルの仕様は変更されません。ONVIFは適合製品の相互接続性を無期限に確保するため、プロファイルの仕様に変更を加えることは認めていないとしています。新しい仕組みを強制すると新旧の適合製品のあいだで相互接続が成り立たなくなるためです。必要な機能がどのプロファイルに含まれているかを先に決め、そのうえで製品を探す。これが本来の順序です。


■ 映像システムで中心になる四つのプロファイル

ONVIFのプロファイルは映像系と入退室管理系に分かれています。映像のシステムで中心になるのは次の4つです。


【Profile S|基本的な映像配信】

映像のストリーミングと設定が対象です。機器が対応していればカメラの首振りやズームの制御、音声の入力、複数の宛先への同時配信、外部機器への接点出力も含まれます。2011年に最初のプロファイルとして導入されたもので、現在は終了に向かっています(後述)。


【Profile T|高度な映像配信】

H.264とH.265という二つの符号化形式に対応し、画質に関する設定、動体の検知や機器の改ざん検知といったアラームイベント、メタデータの配信、双方向の音声を扱います。認証の方式もProfile Sより強度の高いものが採用されています。2018年に導入されました。


【Profile G|録画とストレージ】

機器側の録画や録画データの検索・取得・再生などに関わるものです。


【Profile M|解析メタデータとイベント】

映像解析の結果を受け渡すためのものです。位置情報、車両、ナンバープレート、人の顔と身体について、メタデータの定義が用意されています。映像配信にはProfile SやT、録画・ストレージに関する連携にはProfile G、解析メタデータやイベントの連携にはProfile M。このように目的に応じて確認するプロファイルが変わります。


なお、新しいプロファイルが追加されることもあります。現在も候補として検討中のものがあり、この区分は固定ではありません。


■ プロファイルが合っていても決まらないこと

プロファイルへの適合は共通のインターフェースが備わっていることを示すものです。機器の性能そのものを定めているわけではありません。


【解像度とビットレートの上限があります】

メーカーの技術情報にこの点がはっきり書かれています。カメラを録画機に追加しようとしたときに解像度またはビットレートが上限に達したというエラーが出る場合があり、これは録画機がそのカメラの解像度に対応していない、あるいはそのカメラのビットレートによって録画機の受信帯域の上限を超えてしまうことを意味するとされています。対処としてはカメラ側の解像度を下げるか、追加しようとしているカメラまたはすでに追加済みのカメラの最大ビットレートを下げることが案内されています。


つまり、カメラと録画機がともに同じ解像度に対応していても、台数と設定によっては追加できないことがあります。ONVIFは録画機が何台分の映像を処理できるかまでは定めていません。


【機能の対応範囲も個別です】

次のような項目は、プロファイルの適合とは別に、機種ごとに確認が必要です。


・最大解像度と最大フレームレート

・ビットレートの設定範囲

・音声の入力と出力

・カメラの首振りやズームの操作

・赤外線や補助光の制御

・人や車両を判別する検知

・特定の線や区域に対する検知

・顔やナンバープレートの認識


映像が映ることとこれらが使えることは別々に確認する必要があります。


■ 適合はファームウェアに紐づいています

実務上、最も見落とされやすいのがこの点です。ONVIFの適合は製品の特定のファームウェアあるいはソフトウェアのバージョンに紐づいています。そのバージョンに対しては無期限に有効ですが、裏を返せばバージョンが変われば同じ扱いにはなりません。


ONVIFは既存の製品が適合しているかを確かめるにはその製品のファームウェアのバージョンが登録されているバージョンと一致している必要があるとしています。同じ型番の機器であっても、ファームウェアが違えば適合とはみなされない場合があるということです。設置から数年が経った機器は更新が入っていることがあります。確認には型番だけでなくいま入っているバージョンまで必要になります。


【更新によってつながらなくなることがあります】

この点にはもう一段の含みがあります。ONVIFはメーカーが既存製品の新しいファームウェアで、ある認証方式を使えなくする判断をした場合、その製品は該当するプロファイルの適合ではなくなり、その方式に依存しているシステムの相互接続性に影響し得るとしています。こうした判断は各社に委ねられるとも明記されています。


つまり、いま問題なく動いている組み合わせでもファームウェアを更新した結果として動かなくなる可能性があります。


セキュリティの観点からはファームウェアの更新は行うべきものです。ただし他社製の機器と組み合わせている場合には更新の前に影響範囲を確認しておく必要があります。


【データベースで確認できます】

確認する方法は用意されています。ONVIFは適合製品のデータベースを公開しており、これがある製品が公式に適合しているか、どのプロファイルに対応しているかを判定する情報源であるとしています。メーカー名、製品名、プロファイルなどの条件で検索できます。


あわせてONVIFの仕様を利用している製品であっても、適合の手続きを経ずに「ONVIF適合」を名乗ることはできないとされています。データベースに登録がないまま適合を称している製品についてONVIFへ知らせるための窓口も設けられています。


したがって、確認の手順はこうなります。


・仕様表の「ONVIF対応」という表記だけで判断しない

・どのプロファイルに適合しているかを見る

・カメラ側と録画機側の両方を確認する

・データベースで、型番とファームウェアのバージョンが登録内容と一致しているかを確かめる


なお、ONVIFの情報は日本語では提供されていません。確認が難しい場合は販売店や設置業者に型番とバージョンを伝えて調べてもらう形になります。


■ Profile S は終了に向かっています

いま機器を選ぶ方に関わる変化があります。2025年10月9日、ONVIFはProfile Sのサポートを終了し後継であるProfile Tの使用を推奨すると発表しました。


理由はセキュリティです。Profile Sが規定する認証の方式が現在推奨される水準に合致しなくなったためとされています。この方式は機器への不正なアクセスを防ぐには今日では弱すぎると見なされているという説明もなされています。時期も示されています。サポートは2027年3月31日に終了します。同日以降、メーカーは新しい製品や既存製品の新しいファームウェアおよびソフトウェアのバージョンをProfile Sの適合として申請できなくなります。


【いま使っている設備はどうなるか】

ONVIFはこの点に明確に答えています。特定のソフトウェアまたはファームウェアのバージョンでProfile Sの適合として登録されている限り、メーカーが適合の宣言を取り下げるまでその製品は適合のまま残ります。さらに仮に宣言が取り下げられた場合でも、既存の適合製品どうしの相互接続性は維持されるとしています。


すでに稼働しているシステムの動作に影響はないとも明言されています。この日を境に映らなくなるという性質のものではありません。ただし認証方式については可能であれば従来の方式の使用をやめ、より安全な方式へ移行することが推奨されています。移行が難しい場合は社内の情報システムやセキュリティの担当と対策を相談するよう促されています。


【これから選ぶ場合】

Profile TはProfile Sのほぼすべての機能を含んでいるとされています。市場にある適合製品の多くはProfile SとProfile Tの両方に対応しているとも説明されています。新しく機器を選定する段階であれば、Profile Tに適合しているかを確認しておくほうが後の年数を考えたときに無難です。


ただし、Profile SにあってProfile Tの対象に含まれない機能もあります。製品が独自に対応している場合はありますが、完全な置き換えとは限りません。現在その機能に依存した運用をしている場合は個別の確認が必要です。


■ つなぐ前に機器側の設定が必要です

プロファイルを確認し、型番も一致していたのに映らない。この段階でつまずくことがあります。メーカーによってはカメラの管理画面からONVIFによる接続を有効にし、ONVIF接続用のユーザーを追加する設定が必要です。この操作が済んでいなければ、規格が合っていても接続できません。


【ユーザーには権限の段階があります】

このとき追加するユーザーには権限の段階が用意されています。


・リアルタイムの映像取得、機器が対応する機能の一覧取得、設定の読み取りに限られるもの

・システム設定の変更、初期化やアップグレード、システムログの取得を除く操作が可能なもの

・すべての設定に制限なくアクセスできるもの


ONVIF自身も利用者の役割に応じて異なるアクセスの区分を設けるべきだという方針を仕様の中で示しています。録画機側から映像を取得するだけであれば、最小限の権限で足りることになります。すべてに管理者権限を与える必要はありません。

映像にはそこに写っている人の情報が含まれます。誰にどこまでの権限を渡すかという考え方については別の記事でも整理しています。


・防犯カメラの遠隔監視でできること|導入前に確認しておきたい点


なお、設定画面の名称や項目の位置は機種とファームウェアのバージョンによって異なります。


■ 既存の設備がある場合の確認手順

入れ替えや増設の検討では、次の順で進めると判断がつきます。


【1. 何をしたいのかを先に決める】

映像を見て記録するだけなのか、検知して通知を受けたいのか、後から探せるようにしたいのか。ここが決まらないと、必要なプロファイルも決まりません。


【2. カメラと録画機の型番とファームウェアのバージョンを調べる】

機器本体のラベル、または管理画面から確認できます。ファームウェアのバージョンは、型番と同じくらい重要な情報です。


【3. 双方のプロファイルを確認する】

データベースで型番とバージョンの組み合わせを照合します。カメラ側だけでなく録画機側も確認します。


【4. 性能面の余裕を確認する】

録画機の対応解像度、受信できる帯域、空いているチャンネル数、給電の余力、記録容量。規格が合っていても、ここで詰まることがあります。


【5. 配線と電源の条件を確認する】

LANケーブルでの伝送と給電、無線を使う場合の条件については、別の記事で整理しています。


・防犯カメラは有線と無線、どちらを選ぶべきか


【6. 入れ替えの範囲を決める】

既存の配線を活かせるかどうかで、費用は大きく変わります。この点については、別の記事で整理しています。


・防犯カメラの入れ替えを検討するとき|既存配線を活かす方法と判断のポイント


■ プロファイルの外にあるもの

最後に判断の分かれ目を整理します。プロファイルが定めているのは映像の配信、機器の設定、イベントの通知、解析結果の受け渡しといった共通の部分です。この範囲であればメーカーが違っても動作が期待できます。


一方で、各社が独自に開発した機能はプロファイルの範囲外です。


たとえば、映像を言葉で検索する機能や特定の対象を複数のカメラにまたがって追跡する機能はメーカーが自社の技術として提供しているものです。こうした機能は共通の取り決めの上には乗っていません。映像を探す仕組みについては別の記事で整理しています。


・録画映像を「探せる」状態にする|AI検索とストレージコストの実務


したがって、判断はこう分かれます。


・映像を見て記録できればよい場合は、共通部分で足ります

・AI検知や横断的な検索といった機能を使いたい場合は、カメラと録画機を同じ系統で揃えるほうが確実です


混在させられないという話ではありません。混在させたときに使えるのは共通部分であるという線引きの問題です。


■ おわりに

他社製品とつなげられないという話ではありません。異なるメーカーの機器を組み合わせた構成は成立します。そのための共通の取り決めが整備されており、適合した製品は三万件を超えています。どの製品がどのプロファイルに適合しているかは公開されていて、型番とファームウェアのバージョンが分かれば調べられます。


確認できるようになると検討の進め方が変わります。


カメラだけを交換できるのか、録画機まで含めて考えるのか。段階的に入れ替えるとしたら、どこで区切るのか。いま使っている機能のうち、どれが共通部分で、どれがメーカー独自のものなのか。これまで「やってみないと分からない」とされていた部分が事前に判断できる材料に変わります。


もちろん、共通部分で動くことといま使っている機能がそのまま使えることは別です。必要な機能によっては同じ系統で揃えるほうが結果的に早い場合もあります。難しいのは調べること自体ではなく、自社の使い方にとってどこまでの互換性が必要なのかを見極めることです。映像が見られればよいのか、検知や検索まで求めるのかで選ぶべき構成は変わります。


株式会社ジェイセキュリティではHIKVISIONの正規販売代理店として機器のご提案から設置工事まで対応しております。

「いまの録画機が使えるか分からない」「一部だけ入れ替えられないか」といった段階でも、お気軽にご相談ください。


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※記載の内容は一般的な整理です。実際の対応可否は、機器の仕様、ファームウェアのバージョン、組み合わせ、設置環境により異なります。現地確認のうえ判断が必要です。

※搭載されている機能および適合するプロファイルは機種により異なります。対応可否については個別にご確認ください。

※設定画面の名称、項目の位置、操作手順は、機種およびファームウェアのバージョンにより異なります。

※異なるメーカーの機器を組み合わせた場合、各メーカーが動作を保証するものではないことがあります。導入前にご確認ください。

※ファームウェアの更新による影響は、機器および組み合わせにより異なります。更新前に個別にご確認ください。

※規格およびプロファイルの内容、適合の運用は改定により変わる可能性があります。最新の情報は、規格団体が公表する資料をご確認ください。

※記載の日付および期限は、本記事作成時点で公表されている内容です。変更される場合があります。




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