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INFO 防犯カメラの画素数とレンズはどう選ぶか|数字だけでは決まらない「見え方」の話

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防犯カメラを検討していると、必ず出てくるのが画素数の話です。200万画素、400万画素、500万画素、4K。数字が並んでいると、高いほうがよいように見えてきます。ただ、実際の現場では「4Kのカメラを入れたのに、顔が判別できない」ということが起こります。逆に、画素数の高くないカメラで十分な記録が残せている現場もあります。


画素数は確かに重要な要素ですが、それだけで映像の見え方が決まるわけではありません。実際には、どの範囲を写すか、つまりレンズの選び方が大きく関わってきます。この記事では、画素数とレンズの基本的な考え方、そしてあわせて確認しておきたい点を整理します。


■ 画素数と解像度の基本

画素(ピクセル)とは、映像を構成する最小単位のことです。画素数は、その画素が全部で何個あるかを示しています。

解像度は、画素が縦横にいくつ並んでいるかを示すものです。両者は次のような関係にあります。


・フルHD:1920×1080 = 約207万画素

・4K(UHD):3840×2160 = 約829万画素


一般に「200万画素」と呼ばれるのがフルHD、「800万画素」と呼ばれるのが4Kにあたります。この2つは映像規格として確立しているため、機器の対応状況も明確です。その中間にあたる製品もあり、400万画素や500万画素といった選択肢が流通しています。

画素数が増えれば、同じ範囲を写したときに、より細かい情報を記録できます。ここまでは数字のとおりです。


■ 画素数だけでは「見えるか」は決まらない

ここからが本題です。

同じ画素数のカメラでも、写す範囲が変われば、対象の見え方は大きく変わります。


たとえば、玄関のドア1枚を写す場合と、駐車場全体を写す場合を考えてみてください。同じカメラを使っても、そこに立っている人が画面に占める割合はまったく違います。前者では画面いっぱいに写り、後者では小さくしか写りません。


画素数は「画面全体でいくつの点があるか」を示すものです。写す範囲が広がれば、その点が広い面積に配分されることになり、対象1つあたりに割り当てられる点は少なくなります。つまり、実際に何が判別できるかを左右するのは、画素数そのものではなく、対象が画面のどれだけを占めているかです。


4Kカメラで広い敷地全体を1台でカバーした場合と、フルHDカメラで出入口だけを狙った場合とでは、人の顔について後者のほうがはっきり記録できる、ということが起こり得ます。「高画素にすれば解決する」と考えると、この点を見落とします。


■ 業界での確認方法

この「対象が画面にどう写るか」については、業界に確認のための仕組みがあります。

公益社団法人日本防犯設備協会は、防犯映像システム評価用チャートを頒布しています。人物、カラー、文字・数字の3種類で構成されており、それぞれ次のような判定に用いられます。


・人物チャート:人相を特定できる水準かどうかを判定する

・カラーチャート:衣服や車の色を見分けられるかどうかを判定する

・文字、数字チャート:どこまで文字が読み取れるか。車のナンバーの判読可否を判定する


被写体となる人物の身長は約170cmが目安とされています。実際にチャートを持って撮影し、モニターに映った映像を見て評価するという方法です。


なお、同協会が画角の分類を示しているのはアナログ(NTSC対応)カメラについてであり、メガピクセルカメラについては別途「防犯カメラシステムガイドVOL.2」が案内されています。詳細な基準や適用方法については、同協会の資料をご確認ください。

重要なのは、こうした確認が「画素数の数字を見る」のではなく、「実際にどう写るかを見る」という形で行われている点です。


■ 何を確認したいかで、必要な条件は変わる

導入の目的によって、求められる映像の水準は異なります。


【人がいることを把握したい】

不審者の有無、人の動きの記録が目的であれば、対象が小さく写っていても用は足ります。広い範囲を1台でカバーする構成が取りやすくなります。


【服装や車の色を確認したい】

色の判別が必要になると、もう少し対象が大きく写る必要があります。


【人相や車のナンバーを判別したい】

最も条件が厳しくなります。対象が画面に大きく写る位置関係でなければ、画素数を上げても判別は難しくなります。

同じ敷地内でも、場所によって目的は異なるはずです。全体を見渡すカメラと、出入口を狙うカメラでは、求められるものが違います。1台ですべてを満たそうとすると、どこかに無理が出ます。


■ 写る範囲を決めているのはレンズ

「対象が画面のどれだけを占めるか」で見え方が決まるとお伝えしました。では、その割合は何によって決まるのでしょうか。

カメラの設置位置と対象までの距離、そしてレンズです。


【焦点距離とは】

カメラの仕様に「2.8mm」「4mm」「6mm」といった数値が記載されています。これがレンズの焦点距離です。

焦点距離が短いほど、広い範囲が写ります。そのぶん、写っている対象は小さくなります。

焦点距離が長いほど、写る範囲は狭くなります。そのぶん、対象は大きく写ります。


同じ場所に設置しても、レンズが違えば映像はまったく変わります。広い範囲を1台でカバーしたいなら短い焦点距離、特定の場所を大きく写したいなら長い焦点距離、という関係です。


ここで前の章の話につながります。広い範囲を写せば対象は小さくなり、画素数を上げても判別は難しくなる。逆に範囲を絞れば、対象は大きく写ります。つまり、レンズ選びは「どこまで写すか」を決める作業であると同時に、「対象をどれだけ大きく写すか」を決める作業でもあります。


【固定焦点とバリフォーカル】

レンズには、焦点距離が固定されているものと、範囲内で調整できるものがあります。

固定焦点のレンズは、設置後に画角を変えることができません。想定と違う写り方だった場合、カメラそのものを交換することになります。


バリフォーカルレンズは、決められた範囲内で焦点距離を調整できます。設置後に現地で画角を合わせられるため、事前の想定と実際の見え方にずれがあっても対応できます。


どちらを選ぶかは、設置場所の条件がどこまで事前に把握できているかによります。写したい対象と距離がはっきりしている場所であれば固定焦点で足りますし、調整の余地を残しておきたい場所ではバリフォーカルが向きます。

なお、対応する焦点距離の範囲は機種によって異なります。


■ カメラ以外の機器もあわせて確認する

見落とされやすいのが、システム全体の対応状況です。

防犯カメラは、カメラ単体では機能しません。録画機、モニター、保存用のストレージ、そしてIPカメラであればネットワークを経由して映像が届きます。


カメラを高画素のものに変更する場合、接続する録画機やモニターがその解像度に対応しているかどうかを、あわせて確認しておく必要があります。対応状況は機器によって異なりますので、機種ごとの仕様をご確認ください。入れ替えを検討される際は、既存の機器を流用できるかどうかも含めて、事前の確認をおすすめします。


■ 高画素にすることのトレードオフ

画素数を上げることには、相応の負担が伴います。

【データ量が増える】

記録される情報量が増えるため、同じ保存期間を確保するには、より大きな容量が必要になります。逆に容量が同じであれば、保存できる期間は短くなります。なお、実際のデータ量は映像の圧縮方式によっても変わるため、画素数の比率がそのまま容量の比率になるわけではありません。必要な容量は、カメラの台数と保存したい期間とあわせて検討する必要があります。


【機器の価格が上がる】

カメラ本体だけでなく、対応する録画機やモニターも含めて費用が変わります。


【ネットワークへの負荷が増える】

IPカメラの場合、映像データはネットワークを経由します。台数と画素数によっては、回線への影響も考慮が必要になります。


■ 選び方の考え方

以上を踏まえると、検討の順序は次のようになります。

【1】何を確認したいのかを決める

人の有無なのか、色なのか、人相やナンバーなのか。ここが決まらないと、必要な条件も決まりません。


【2】どこを、どの範囲で写すのかを決める

目的が決まれば、カメラをどこに向けるべきかが見えてきます。範囲を欲張ると、対象が小さく写ることになります。


【3】設置位置とレンズを検討する

写したい範囲と、対象までの距離。この2つから、必要な焦点距離が絞られます。設置後に調整の余地を残したい場合は、バリフォーカルレンズという選択肢もあります。


【4】そのうえで画素数を検討する

写す範囲と目的が決まって初めて、必要な画素数が絞り込めます。


【5】システム全体で整合を取る

録画機、モニター、保存容量、ネットワーク。全体として成立する構成かを確認します。


「まず画素数を決める」という順序で進めると、後から範囲や機器の制約に突き当たります。目的から逆算するほうが、結果的に無駄が少なくなります。


画素数は、防犯カメラを選ぶうえで重要な要素の一つです。ただ、数字が大きければ目的が果たせるというものではありません。

何を記録したいのか、それをどの位置から、どのレンズで、どの範囲を写すのか。そこが定まって初めて、必要な画素数が決まります。


株式会社ジェイセキュリティでは、現地調査のうえ、設置場所と目的に合わせた機器構成をご提案しております。「どのくらいの画質が必要か分からない」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。


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※画素数と解像度の対応は代表的な規格を示したものです。実際の製品仕様は機種により異なります。

※流通している画素数の区分は、方式や機種により異なります。

※記載の考え方は一般的な整理です。実際に必要な画素数は、設置位置、撮影距離、対象までの距離、レンズの画角、設置環境により異なります。現地確認のうえ判断が必要です。

※搭載されているレンズの種類、焦点距離、調整可能な範囲は機種により異なります。個別にご確認ください。

※日本防犯設備協会の評価用チャートおよび基準の詳細については、同協会へお問い合わせください。

※対応可能な解像度は、カメラ・録画機・モニターそれぞれの仕様により異なります。既存機器を流用される場合は個別にご確認ください。

※必要な保存容量は、画素数のほか、カメラ台数、保存期間、圧縮方式、録画方式により異なります。




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