INFO NDAA(米国国防権限法)とは|防犯カメラの調達で知っておきたいこと
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防犯カメラの選定にあたって、「NDAA準拠」という言葉を目にすることがあります。特に官公庁や大手企業との取引、あるいは米国関連の事業に関わる場合に出てくるキーワードです。この記事では、NDAAとは何か、なぜ防犯カメラの分野で話題になるのか、そして調達の際に何を確認すればよいのかを整理します。
■ NDAAとは何か
NDAA(National Defense Authorization Act)は、米国の国防政策全般に関する方針を定める連邦法です。日本語では「国防権限法」または「国防授権法」と訳されます。毎年度、議会で改定・可決される法律で、米国の国防予算の大枠を規定するものです。
このNDAAの中に、防犯カメラや通信機器に関わる条項があります。それが第889条です。
■ 第889条が定めていること
第889条は、通信機器および映像監視サービス・機器に関する禁止事項を定めた条項で、2018年成立の2019年度国防授権法に含まれています。内容は大きく2段階に分かれています。
【パートA】
米国政府機関に対し、対象となる機器・サービスを実質的に利用している機器・システム・サービスの調達や契約の延長・更新を禁止するものです。2019年8月13日に施行されました。
【パートB】
米国政府機関に対し、対象となる製品・サービスを実質的に利用している企業との契約や、その延長・更新を禁止するものです。2020年8月13日に施行されました。
パートBは、政府機関との契約そのものに対象製品が使われているかどうかに関わらず、契約相手の企業がどこかで対象製品を使っていれば契約自体が禁止されるという、より広い範囲に影響する規定です。この対象は、通信機器と、映像監視サービス・機器の2つのカテゴリに分かれており、それぞれ法律の条文で対象となる製造元が具体的に列挙されています。
対象となる米国政府機関には、国務省、財務省、国防総省、司法省などが含まれます。
■ 日本ではどう扱われるか
NDAAはあくまで米国の国内法であり、日本国内での民間利用や調達に対して、これを直接義務づける法律上の規定はありません。
一方で、日本には別の枠組みとして、経済安全保障推進法(令和4年法律第43号)があります。この法律には、基幹インフラ役務の安定的な提供を確保するための制度が含まれており、指定された「特定社会基盤事業者」が重要な設備を導入する際に、事前の届出や審査を求める仕組みがあります。
ただし、この制度の対象は電気・通信・金融・港湾運送といった特定の業種に指定された事業者に限られており、NDAAとは対象範囲も法的根拠もまったく異なる、別の制度です。両者を混同しないよう注意が必要です。
■ NDAA準拠は誰に関係するか
法律上の直接義務がないとしても、NDAAへの対応が実務上求められる、あるいは選定の判断材料になる場面があります。主なものは次のとおりです。
・米国政府機関や米国の公共機関に関連する案件
・米国企業への納入案件(特に大手企業やグローバル企業)
・米国向けの輸出や再販売を前提としたシステム構築
・発注者側の調達条件として、NDAA準拠が明記されているプロジェクト
・セキュリティやコンプライアンスを重視する企業・法人の調達
将来的に米国関連の事業展開を予定している場合や、今後NDAA準拠が求められる可能性を考慮して、あらかじめ準拠製品を選定しておくという考え方もあります。
■ 適合の確認方法
NDAAへの準拠は、政府が発行する公式な認証制度ではありません。特定の第三者機関が審査して合否を判定する、という仕組みではないということです。
NDAA準拠かどうかの判断は、製造元が自ら発行する「NDAA準拠宣言(Declaration of NDAA Compliance)」に基づいて行われます。製品仕様書やメーカーの公表資料に、NDAAへの準拠が明記されているかどうかを確認することが、実務上の基本的な確認方法になります。対象となる企業や製品カテゴリは、米国政府の公式資料で随時更新されています。調達の際は、最新の情報を確認することをおすすめします。
■ 選択肢は一社に限らない
NDAAに準拠した防犯カメラ・録画機は、特定の一社だけが提供しているわけではありません。複数の製造元から、準拠製品が供給されています。どのメーカーの製品を選ぶにせよ、重要なのは「NDAA準拠」という表示や宣言が、製品ごとにきちんと確認できるかどうかです。
■ まとめ
・NDAAは米国の国防政策に関する連邦法で、防犯カメラに関わるのは第889条
・パートA(政府機関による直接調達の禁止)とパートB(対象製品を利用する企業との契約禁止)の2段階構造
・日本国内での民間利用に法律上の直接義務はないが、米国関連の取引や公共調達では実務上の判断材料になる
・日本には経済安全保障推進法という別の枠組みがあるが、NDAAとは異なる制度
・準拠の判断は政府認証ではなく、メーカー自身の宣言に基づく
・準拠製品は特定の一社に限らず、複数の製造元から供給されている
株式会社ジェイセキュリティでは、NDAA準拠製品を含め、お客様の用途に応じた機器選定のご相談を承っております。調達要件にお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
■お問い合わせ
※本記事は2026年8月時点で確認できた情報に基づいています。NDAAおよび関連する米国政府の規則は改定される可能性があるため、最新の情報は米国政府の公式資料でご確認ください。
※経済安全保障推進法の対象範囲・運用は、政令・省令により随時定められています。詳細は内閣府等の公表資料をご確認ください。
※NDAA準拠の判断はメーカーの宣言に基づくものであり、個別製品の準拠状況については、各メーカーの公表資料で確認する必要があります。
※本記事は法律の一般的な解説を目的としており、個別の調達案件における法的判断を保証するものではありません。具体的な案件については、専門家にご相談ください。

